カラスの巣は勝手に撤去していい?
自分が管理する場所にあるカラスの巣は、卵もヒナもいなければ許可なく撤去できます。卵やヒナがいる場合は、勝手に撤去したり動かしたりできません。
| 巣の状態 | 撤去の扱い | 自治体の案内の例 |
|---|---|---|
| 作りかけ・空の巣(卵もヒナもいない) | 敷地の管理者が許可なく撤去できる | 京都市「許可等の手続きは不要」、堺市「空っぽの巣であれば撤去してもらっても構いません」 |
| 卵がある巣 | むやみに除去できない。許可が必要 | 名古屋市「鳥獣保護管理法により、むやみに除去することはできません」 |
| ヒナがいる巣 | 巣立ちまで待つか、許可を受けて撤去 | 堺市「巣立ってから巣を取り除いてください」 |
| 自分の管理でない場所の巣 | その施設や樹木の管理者に相談 | 福岡市Q&A(2025年11月11日更新) |
根拠になるのは鳥獣保護管理法です。環境省の「捕獲許可制度の概要」は、鳥獣と鳥類の卵について、狩猟の場合を除き、捕獲・殺傷・採取を原則として禁止していると説明しています。巣そのものではなく、中の卵やヒナが規制の対象になるため、撤去の前に中を確かめることが大切です。
許可が必要なのはどんなとき?
巣を撤去するときに卵を取り除いたりヒナを捕まえたりすることになる場合は、鳥獣保護管理法にもとづく許可が必要です。許可を出すのは原則として都道府県知事で、環境省によると、多くの都道府県が許可の権限の一部を市町村長に移しています。
東京都の場合、江戸川区のページ(2025年4月18日更新)は、ヒナや卵を処分する場合は有害鳥獣捕獲の許可を受けて捕獲できることがあるとし、区内の許可については東京都環境局の鳥獣保護管理担当(03-5388-3505)に相談するよう案内しています。堺市は、申請者から状況を聞き、必要と判断した場合に捕獲許可証を交付するとしています。どこが窓口かは都道府県で違うため、まず市区町村の環境担当に聞くと案内してもらえます。
ハシブトガラスとハシボソガラスは環境省の狩猟鳥獣に含まれますが、狩猟には期間・免許・登録などの決まりがあり、住宅の巣の撤去をそのまま狩猟として扱えるわけではありません。福岡市は、許可なく野生のカラスを捕獲・駆除することは法律で禁じられていると説明しています。
許可なく撤去するとどうなる?
卵やヒナのいる巣を許可なく撤去すると、鳥獣保護管理法違反として罰則の対象になるおそれがあります。北海道の案内は、例外を除いて野生鳥獣の捕獲等(殺傷や卵の採取・損傷を含む)はできず、違反すると1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金の対象になるとしています。
急ぐ事情がなければ、巣立ちを待って空になってから撤去する方法があります。堺市によると、カラスの巣作りは3月頃に始まり、卵は約20日でかえり、ヒナは約30日で巣立ちます。卵を見つけた日を記録しておくと、空になる時期の見当がつけやすくなります。待っている間に親鳥に威嚇されて困る場合は、巣の近くを通らないようにし、許可が必要かどうかを窓口に相談してください。
電柱や街路樹、マンションの巣はどこに連絡する?
巣がある物の管理者に連絡します。電柱なら電力会社、道路の街路樹なら道路の管理者、公園なら公園の管理者、マンションの共用部分なら管理組合や管理会社です。
- 電柱:江戸川区と大田区は、東京電力の電柱の巣について東京電力パワーグリッドのカスタマーセンター(0120-995-007)を案内しています。大田区は、電話用の電柱はNTT(0120-444-113)としています。京都市は関西電力送配電への連絡を案内しています。
- 道路・公園:大田区は、国道・都道・区道と公園のそれぞれの管理者の連絡先を載せています。
- 私有地:大田区は、私有地の巣は所有者の了解を得たうえで区の環境政策課(03-5744-1365)に連絡するよう案内しています。江戸川区は、区では私有地内の巣の撤去は行っていないとしています。
大田区のページは、被害がなければ巣を撤去する必要はなく、威嚇されるなどの被害が出た場合に管理者へ撤去を頼むとしています。
巣の撤去費用に助成はある?
一部の区市町村に助成があります。たとえば江戸川区は、区内の個人の住居でヒナや卵のいるカラスの巣を業者に除去してもらった場合に、費用の3分の1(上限7千円、高所作業車を使った場合は上限1万4千円)を助成しています(2026年9月1日更新)。
この助成では、鳥獣保護法の許可を受けた業者に頼むことが条件で、空の巣の除去は対象外です。事業所やマンションの共有スペース、賃貸住宅も対象になりません。助成のない地域でも、業者に頼むときは許可が必要な作業かどうか、許可の手続きを誰が行うかを確かめておきましょう。
よくある質問
作りかけの巣の材料を取り除いてもいいですか?
卵がまだない段階なら、空の巣と同じ扱いです。京都市の相談Q&A集は、卵が無くヒナもいない巣を除去する場合は許可等の手続きは不要としています。ハンガーなど巣材になる物を外に置かないことも予防になります。
撤去した巣はどう捨てればいいですか?
堺市は、撤去した巣はごみとして処分するよう案内しています。枝や針金ハンガーが混ざっていることが多いため、住んでいる自治体の分別に従って出してください。
巣から落ちたヒナを見つけたら?
触らずに離れます。大田区は、巣から落ちたヒナは区の委託業者が捕獲するとして環境政策課への連絡を案内しており、江戸川区は環境課相談係(03-5662-1996)を窓口にしています。
相談先・申込先の選び方
巣の中に卵やヒナがいるかどうかで、相談先と手順が変わります。空の巣なら管理者が撤去でき、卵やヒナがいて急ぐ事情があるときは市区町村の環境担当に許可の要否と申請先を聞きます。業者に頼む場合は、許可の取得を含めて対応できるか、高い場所の作業費が別にかかるかを見積もりで確かめましょう。
電柱や街路樹など自分の管理でない場所の巣は、業者ではなく管理者に連絡するのが先です。自宅の木や屋根の巣で業者に頼むときは、撤去後に巣を作られにくくする対策が作業に含まれるかも聞いておきます。
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現地調査・見積もりを頼める相談先の例
侵入口の封鎖や清掃まで任せたい場合は、2社以上から同じ条件で見積もりを取ると比較しやすくなります。写真とメモを用意してから問い合わせてください。
全国受付・電話は24時間365日。公式サイトでは現地調査・見積もり無料(地域や状況により費用がかかる場合あり)と案内されています。ネズミ、イタチ、ハクビシン、アライグマ、コウモリなどに対応。
害獣駆除110番の公式ページを見るリンク先で申し込みや問い合わせがあった場合、当サイトに報酬が支払われることがあります。料金・対応地域・保証などの条件は、必ず各社の公式ページと見積書で確認してください。
出典(確認日:2026-10-21)
- 環境省:捕獲許可制度の概要
- 環境省:狩猟鳥獣
- 北海道:野生鳥獣の捕獲は原則禁止
- 京都市:野生鳥獣・虫等に関する相談Q&A集(PDF)
- 名古屋市:野生鳥獣等に関する相談Q&A集(PDF)
- 福岡市:カラスに関するQ&A
- 堺市:カラスでお困りの方へ
- 江戸川区:カラスの巣
- 江戸川区:カラス及びスズメバチの巣を除去した経費の一部を助成します
- 大田区:カラスの巣・ヒナ
法令の扱いは公的機関の案内の紹介です。個別の判断は自治体の担当課に確認してください。
痕跡だけで決めず、安全に確認しよう。