ハクビシンは夜にどんな声で鳴く?
ハクビシンの鳴き声の聞こえ方を説明した公的資料は確認できなかったため、この記事では「この音ならハクビシン」という説明はしません。確かなのは、ハクビシンが夜に活動する動物で、夜に聞こえる物音や声の主の候補になる、ということです。
国立環境研究所の侵入生物データベースは、ハクビシンを夜行性とし、昼間は樹洞や岩穴、人家の屋根裏などで休み、夜になると樹上で果実や種子を食べるとしています。農林水産省の「野生鳥獣被害防止マニュアル-ハクビシン-」(平成20年3月)も、ハクビシンを完全な夜行性で木登りが得意な動物と説明しています。
インターネット上で紹介されているハクビシンの鳴き声の表現は、書き手によって異なることがあります。録音を聞き比べる場合も、その録音の動物が本当にハクビシンかを確かめにくいため、声の似かただけで判断を決めないほうが安全です。
鳴き声で他の動物と見分けられる?
鳴き声だけで見分けるのは難しく、フンのため方、出入りできる隙間の大きさ、子どもが生まれる時期など、確かめられる手がかりと組み合わせます。公的資料に書かれている違いを表にまとめました。
| 手がかり | ハクビシン | 比べる相手 | 出典 |
|---|---|---|---|
| フン | ねぐらなどにため糞をする。よく通る道の側溝などにもする | アライグマはため糞をしない | 農林水産省「中型獣対策の基本」 |
| 活動する時間 | 活動時間帯は夜間に偏る | アライグマも夜行性(千葉県) | 農林水産省 中型獣類編 |
| 入れる隙間 | 6cm×12cmの隙間があれば侵入できる | 東京都環境局は8cm四方の隙間にも入り込むとしている | 農林水産省 中型獣類編・東京都環境局 |
| 子どもが生まれる時期 | 一年中繁殖が可能(年に1回)、一度に約1〜4頭 | アライグマは主に春から初夏に出産 | 東京都環境局 |
昼間に屋根の上や軒下で鳴き声がするなら、夜行性のハクビシンより先に、鳥の可能性を考えます。ムクドリなどの鳥の巣については、ムクドリの記事で扱っています。ハクビシンとアライグマの足跡や顔の見分け方は、天井裏のハクビシンの記事を参考にしてください。
天井裏の鳴き声が急に増えたのはなぜ?
天井裏の鳴き声や物音が急に増えたときは、子育てが始まった可能性があります。農林水産省の中型獣類編のマニュアルによると、ハクビシンは樹洞のほか家屋の天井裏などを、休む場所や子を産み育てる場所に使います。
子どもが生まれる時期には幅があります。東京都環境局の「アライグマ・ハクビシンについて」(2026年4月6日更新)は、ハクビシンは一年中繁殖が可能(年に1回)で、一度に約1〜4頭を産むとしています。農林水産省の中型獣類編は出産期を3月〜11月と推定しており、平成20年のマニュアルは、年間を通じて出産するが夏から秋に多い傾向があるとしています。三鷹市(2026年4月16日更新)も、子育てのために民家に住みつくことがあると案内しています。
子どもがいる時期に出入口だけをふさぐと、天井裏に子どもが残されるおそれがあります。声が増え始めた日と、親が出入りする時刻を記録し、ふさぐ時期は市区町村や業者と相談して決めましょう。
夜の鳴き声がうるさいときはどうする?
まず声のした時刻と場所を記録し、フンや出入口などの痕跡を確かめてから市区町村に相談します。文京区の「アライグマやハクビシンの被害を防ぐために」(2024年9月10日更新)は、庭や道路で見かける、鳴き声が聞こえる、といった場合は区の防除事業の対象にならないとしており、住みついている痕跡が相談の前提になる自治体があります。
- 日付と時刻:声がした時間と、同じ夜に足音がしたか
- 場所:どの部屋の天井か、壁の中か、屋外か
- 屋外の痕跡:同じ場所にたまったフン、雨どいや外壁の汚れ
- 出入り:夕方に軒下や換気口から出ていく姿を見たか
- 家の中の変化:天井のシミ、においが強くなった日
ハクビシンを自分で捕まえることはできません。ハクビシンは鳥獣保護管理法の対象の哺乳類で、捕獲には原則として許可が必要です(環境省「捕獲許可制度の概要」)。江戸川区も、野生鳥獣の駆除や捕獲には東京都の許可が必要と案内しています。天井裏の点検口を開けて確かめるときも中には入らず、懐中電灯で照らして写真を撮るだけにします。
よくある質問
鳴き声をスマートフォンで録音しておくと役に立ちますか?
録音は、聞こえた時刻と場所の記録として役に立ちます。声だけで動物を決めることは難しいため、フンや足跡の写真もあわせて相談先に見せてください。
庭で鳴き声がするだけでも、何かしておくことはありますか?
引き寄せる物を減らしておきます。世田谷区の資料(令和6年3月)は、生ごみやペットの食べ残しをそのままにしないこと、縁の下や通風口などの隙間をふさぐことを挙げています。
相談先・申込先の選び方
相談先は、住んでいる市区町村の担当課(環境課など)が最初です。区によっては委託事業者が捕獲器を置く事業があり、杉並区の事業では、所有者・管理者が申し込むこと、わなの餌を替えて費用も持つこと、毎日わなを見回ることなどが条件です。江戸川区は、捕獲用のわなを庭や駐車場などの床置きに限り、天井裏や床下のような危険を伴う場所については、区ではなく東京都ペストコントロール協会に問い合わせるよう示しています。
天井裏から動かず区のわなで捕まえられないときは、業者による追い出しと封鎖、そのあとの清掃を検討します。見積もりでは、子どもがいる可能性を伝えたうえで作業の時期をどう決めるか、封鎖する箇所の数、清掃と消毒の範囲を確かめましょう。
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現地調査・見積もりを頼める相談先の例
侵入口の封鎖や清掃まで任せたい場合は、2社以上から同じ条件で見積もりを取ると比較しやすくなります。写真とメモを用意してから問い合わせてください。
リンク先で申し込みや問い合わせがあった場合、当サイトに報酬が支払われることがあります。料金・対応地域・保証などの条件は、必ず各社の公式ページと見積書で確認してください。
出典(確認日:2026-10-21)
- 国立環境研究所 侵入生物データベース:ハクビシン
- 農林水産省:野生鳥獣被害防止マニュアル-ハクビシン-(平成20年3月、PDF)
- 農林水産省:野生鳥獣被害防止マニュアル【中型獣類編】ハクビシンの章(PDF)
- 農林水産省:中型獣対策の基本(PDF)
- 東京都環境局:アライグマ・ハクビシンについて(2026年4月6日更新)
- 千葉県:特定外来生物 アライグマ(令和8年4月1日更新)
- 三鷹市:ハクビシン、アライグマについて(2026年4月16日更新)
- 文京区:アライグマやハクビシンの被害を防ぐために(2024年9月10日更新)
- 環境省:捕獲許可制度の概要
- 江戸川区:ハクビシン・アライグマ(2026年4月1日更新)
- 世田谷区:都会に住むハクビシン・アライグマの被害対策について(令和6年3月、PDF)
- 杉並区:ハクビシン等の被害相談について(2025年5月7日更新)
鳴き声についての公的な説明は、確認日の時点で見つかりませんでした。生態の記載は各資料の時点のものです。
痕跡だけで決めず、安全に確認しよう。